養育費とは子どもが離れて暮らす親から受ける子どもの権利です
そして、離れて暮らす親は、扶養義務として子どもに支払う義務があります
この扶養義務とは、生活保持義務といって、自分と同等レベルの水準の生活を
子どもにさせなければならないというものです
生活が別々になったから
また親権が取れなかったから
離婚の相手方が憎いから…などの心情などとは関係なく、
子どものための義務です。
しかしながら、実態といえば
「養育費の取り決めがある」・・・34.0%
「養育費を現在受けている」・・・17.7%
「養育費を受けたことがある」・・・15.4%
「受けたことがない」…66.8% (厚生省平15年全国母子調査)
となっています。これが現状です
この背景には、養育費に関する合意がなくても離婚ができることも要因の一つになっていると思われます。
また、取り決めをしても、支払い続けているケースがあまりにも少なく、
離婚後の母子の生活の厳しさがうかがえます
ただでさえ、一人で子どもを育てることは、大変です。
子どものためにも離婚時にしっかり取り決めをし、支払われなくなった時のことも考えてしっかり協議をしましょう。
そして、取り決めたことは必ず公正証書に残しましょう
その際は「執行認諾文言付き公正証書」(強制執行に服しますと約束させる証書)にすることが大切です
子どもにとって離れて暮らしている親から愛されていると思うだけで、安心できます。
離れて暮らしているとなかなか愛情を肌で感じることはできませんが、
自分のために毎月毎月養育費として支払ってくれているという事は、
子どもにとって大きな安心感や愛情を感じることができる事実そのものです。
そんな愛情を感じて成長することは 子どもの精神にもとても大切なことです
Q.養育費はいつまで払ってもらう取り決めをすればいいですか?
A.基本的には子どもが成人する20歳までとすることが多いです
しかし、決まりはなく、「高校を卒業する3月まで」とか「大学を卒業するまで」
など、両親で相談して決めることになります
Q.養育費の相場はいくらくらいですか?
A.こちらも決まりはありませんので、両親で相談して決めることになります
考え方としては、父親の収入と母親の収入をめやすに、生活水準のレベルが基準です
収入が多い父親からはそれなりの金額が設定されますし、
そうでない場合は、相場より低くなることもあります
裁判所が出しているガイドラインを参考に両親で話し合うことになります
ガイドラインはあくまでも参考程度にしましょう。
今後の状況をよく考え、できることなら少しでも多く支援してもらえるように話し合いをすることをおすすめします
子どもが大きくなるにつれ、塾などの学費や生活費など養育には想像以上にお金がかかるものです
Q.一度決めた養育費は変更できますか?
A.状況の変化に合わせて減額・増額の変更が可能です
子どもの成長に伴って学費が増えることも、減ることも考えられます
また親側の状況の変化として、転職・失業・倒産などにより収入に大きな変化があることもあります
また、子どもが大きな病気をしてお金が必要になることもあるかもしれません
どんな状況になるかは、その時にならないとわからないものです
その時々で、両親が話し合いをし お互い考慮していくことも必要になるかもしれません。
状況が戻ったら、また変更することも決めておくといいかもしれません