相続とは?
相続とは、被相続人の死亡によって当然に発生します。
そしてすべての相続財産が、定められた相続人によって相続されることになります。
この場合、被相続人が遺言によって遺産の分割について指定されていれば、その遺言が優先され、その内容通りに分割していきます。
遺言がない場合には、相続人同士で話し合って遺産を分割します。
相続財産には、プラスの財産(積極財産)だけでなく、マイナスの財産(消極財産)も含まれます。
なかには、プラスの財産を上回る多額の借金がある場合もあります。
そのような場合には、むやみに相続をして多額の借金を背負い込むことのないように注意が必要です。
相続の種類
相続の仕方には3つの種類があります。
◆単純承認
相続人が被相続人の権利義務をすべて相続すること。
つまり、プラスの財産であろうと、マイナスの財産(借金)であろうと、被相続人の権利や財産をすべて受け継ぎます。
◆限定承認
相続によって得たプラスの財産の範囲においてのみ、被相続人の残した借金などのマイナスの財産についての責任を負うという条件付きで相続すること。
相続財産の内容がはっきりせず、調査が必要な場合などに有効な方法です。
限定承認をしようとする場合には、3か月の熟慮期間中(相続の開始のあったことを知った時点から3か月以内)に家庭裁判所に限定承認をする旨、申し出なくてはなりません。
また、限定承認をする場合には、相続人全員の承認が必要となります。
◆相続放棄
相続の権利はあるものの、一切の権利を拒否する行為です。
相続財産がなんであろうと、プラスの財産・マイナスの財産など関係なく、すべての財産を放棄し、最初から相続人ではなかったものとみなされます。
ただし、限定承認と同様に3か月の熟慮期間中に家庭裁判所に相続放棄をする旨、申し出ます。
相続の放棄はだれでも可能です。
また、単独でもすることができます。
法定相続人とは?
相続において、だれが相続人となるのかは、一番気になるところです。
相続人になれる者の範囲は、民法によって規定されており、これを法定相続人といいます。
民法ではその範囲と順位を定めています。
第1順位・・・被相続人の子(子供が死亡している場合は、孫・ひ孫が代わって相続)
第2順位・・・被相続人の直系尊属 (父母・祖父母)
第3順位・・・被相続人の兄弟姉妹
被相続人の配偶者は常に相続人となります。
代襲相続とは・・・相続人が相続開始以前に死亡したとき、また相続欠格・相続廃除に
よって相続権を失ったときに、相続人の子が相続人に代わって相続する制度
法定相続分とは?
だれが、どのような割合で相続するかということについても、民法で規定されています。
これを法定相続分といいます。
例えば、
◆相続人が配偶者と子どもの場合
配偶者・・・2分の1
子ども・・・2分の1(子どもが複数の場合は均等に分割)
◆相続人が配偶者と父母の場合(子どもがいないケース)
配偶者・・・3分の2
父母 ・・・3分の1
◆相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合(子供も両親もいないケース)
配偶者 ・・・4分の3
兄弟姉妹・・・4分の1(複数いる場合には均等に分割)
このように規定されています。
相続分を分け合う方法は?
相続分とは、それぞれの相続人が受け取る相続財産の割合です。
相続分を取り決めるには,主に3つの方法があります。
1、まずは、被相続人が残した遺言が優先され、その遺言書で指定された相続分(指定相続分)に従って相続財産の分割を行います。
2、遺言書がない場合、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)により、相続人全員の合意をもって決定し、その合意にそって分割する方法 (後述)
3、民法の規定する法定相続分に従って分割を行う方法
主にこの3通りの方法で相続財産の分割を行います。
話し合いに合意が得られない場合には、家庭裁判所に調停を申し立て、裁判所で話し合いを行い解決を図ります。
それでも話し合いがまとまらない場合には、次に審判の手続きが開始されます。
これを家事審判といいます。
この場合、問題の相続財産について審判官が職権で調査等を行ったうえで、最終的な決定を下します。
この審判による決定に従って相続することになります。
この決定にも不満がある場合には、審判書を受け取ってから2週間以内に高等裁判所に不服申し立てをすることができます。
この申し立てがなければ、審判は通常の裁判の判決と同様の効力を生じることになります。
相続は、民法で相続人や相続割合が決められているとはいうものの、相続財産、相続人の数、状況など皆それぞれ違います。
そのため、その状況に応じた対応が求められます。
この場合はどうしたらいいのだろう?
このケースはどうなるんだろう?
など、疑問や不安がつきまといます。
一人ひとり、状況が違うのでそれも当然です。
相続が争族になる前に、まずは、専門家にご相談下さい。
また、いざという時の残された大切な家族のために遺言を残すことで、
争いや不安を避けることができる場合もあります。
遺言についてもご相談を承っております。
お気軽にご相談下さい。
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