Q.NPO法人とは?
A.特定非営利活動法人(NonProfit Organization)の略
特定非営利活動促進法に基づき法人格を取得した法人をいいます。
Q.特定とは?
A.活動の分野が法律で定められています。現在は20分野です。
Q.非営利とは?
A.営利を目的としないこと。
Q.営利を目的としないとは?
A.お金をもらってサービスをしてはいけないということではなく、活動に
よって得た利益や資産を社員や役員などで分配をしてはいけない。
という意味です。
期末に利益があがっても、その利益はその団体の目的とする活動に
充当することになります。
Q.無報酬しかダメなのですか?
A.非営利とは無報酬という意味ではありません。
NPO法人も組織として活動を行いますので、事務所を借りたり、スタッフ
の人件費、その他諸々の経費(費用)もかかります。
そのため、組織を継続していくためには、組織としてお金が回っていく
仕組みが必要になります。
また、職員も労働の対価として賃金を受取ることは普通のことであり、
それは一般的には利益の分配には当たらないとされています。
(社会通念上、又は類似の労働と比較してあまり高額な賃金を
受取っている場合には、利益の分配と判断されることもあります。)
Q.役員報酬と給料はどう違うのですか?
A.役員報酬とは役員としての対価として支払われる報酬のことを
いいます。
例えば、理事会の出席、役員会の出席などに対して支払われる場合
などです。
給料とは、通常の組織と同様に職員としての労働の対価のことを
いいます。
役員であっても、通常の活動に対する労働の対価の場合には職員と
しての給料に該当することになり、その場合は役員報酬と分けて
考えられます。
Q.NPO法人にすると、補助金や助成金が交付されるのですか?
A.法人格を取得したからといって補助金などが自動的に交付されるこ
とはありません。
民間の助成金などは、法人格であることが交付の条件の一つと
なっていることもありますが、基本的には活動や事業内容で
交付の判断がなされることが多いようです。
Q.NPO法人のメリットは?
A.一般的によく言われていることとしては
1.社会的信用が得られやすい
任意団体は個人とされています。個人では責任の所在も不安定であ
り、取引先などからすると実態を把握しづらい分信用度は低くなりま
す。
その点、NPO法人は、所轄庁の認証を得た法人であり、毎年決算書類
や事業報告等を提出し、だれでも閲覧できることから活動や財務面
では透明性が格段にあがります。
また、法人ということで,定款や登記簿謄本にも「設立の趣旨・目的・
活動内容などが記載されており、第三者が見ても法人の内容が把握
できます。
2.法人として契約や登記ができる
任意団体では、団体名で契約や登記をすることができず、代表者の
個人名で行うことになります。
法人化すると、事務所を借りる、電話を契約するなどの際、
法人として契約できます。
銀行口座も法人名で開設できます。
3.責任の所在
任意団体の場合、活動において問題が発生した場合、責任は代表者
個人にかかりますが、法人化した場合には、法人として責任を負いま
す。
責任の所在が法人となり、原則法人が賠償することになるので
個人の責任は軽減するとされています。
4.事業継承がしやすい
任意団体では、財産などは代表者個人のものとされているので、
代表者が死亡するとすべて代表者に関する相続の対象となります。
法人化していれば、代表者である理事長が死亡しても、すべての財産
は法人に属するため、ほかの理事長を選任することによって、
活動を滞りなく継続することができます。
5.その他
経費の認められる範囲が広がる。
職員を採用する際に有利
官公署などから委託事業や補助金を受けやすい
資金を集めやすい(賛同してくれる企業から賛助会費を集めるなど)
などがあげられます。
Q.NPO法人のデメリットは?
A.一番にあげられるのが、手続きの煩雑さです。
1.設立の際の書類を作成・そろえることが大変。
設立後にも毎年事業年度終了後三か月以内に、事業報告書・活動計算
書・財産目録・役員名簿など所轄庁に提出する必要があります。
そしてこの提出された事業計画書等は、公開され、だれでも閲覧する
ことができます。
信用性のアップというメリットの反面、どういう団体であるかは
一目瞭然となります。
2.定款に記載された活動に限定される。
活動の内容を変更しようとするときは所轄庁の認証または届出が
必要になります。
3.設立時に最低10名の社員が必要
4.設立に時間がかかる。(通常申請から6か月は要します)
などがあげられます。
Q.特定非営利活動とはどのような活動のことをいうのですか?
A.特定非営利活動促進法別表に掲げる活動に該当すること
不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することが条件です。
1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2. 社会教育の推進を図る活動
3. まちづくりの推進を図る活動
4. 観光の振興を図る活動
5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7. 環境の保全を図る活動
8. 災害救援活動
9. 地域安全活動
10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11. 国際協力の活動
12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13. 子どもの健全育成を図る活動
14. 情報化社会の発展を図る活動
15. 科学技術の振興を図る活動
16. 経済活動の活性化を図る活動
17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18. 消費者の保護を図る活動
19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、
助言 又は援助の活動
20. 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の
条例で定める活動
Q.社員とは従業員のことですか?
A. NPO法人の場合、社員とは法人に雇用されている職員や従業員のこと
ではありません。
この場合の社員とは、その法人の構成員のことであり、社員総会で
議決権を有する者のことをいいます。
社員の要件については特に定められていません。
よって、個人でも法人でも、また日本人でも外国人でも構いません。
Q.社員は役員と兼ねることはできますか?
A.こちらについても特段の定めはありません。
よって、社員に理事や監事が入っていても構いません。
Q.最初に必要な人数に決まりはありますか?
A.理事は3人以上、監事は1人以上
社員は10人以上が必要になります。
Q.法人となるために資本金のような財産は必要ですか?
A.基本財産は0円で設立できます。
Q.設立の費用はどれくらいかかりますか?
A.設立費用や認証の手数料はかかりません。登記も無料です。
ただし、設立手続きが煩雑のため専門家に依頼する場合にはその報酬
が必要になります。
Q.設立にはどれくらいの期間がかかりますか?
A.通常、書類の作成に3~4週間程度
所轄庁の審査に約4か月
登記手続きに約1週間
合計 5~6か月程度必要になります。
ただし、事業内容を詰めていく作業や、所轄庁の窓口申請などの
予約状況によってはさらに時間がかかることが一般的です。
Q.設立後どんな手続きが必要ですか?
A. 1.資産総額の変更登記
変更があれば、毎事業年度末日現在の資産の総額を
変更登記します。
提出時期---事業年度終了後2か月以内
提出場所---管轄する法務局
2.役員の変更登記
代表権のある理事の任期満了、辞任、新任、改姓等により
登記事項に変更が生じた場合は変更登記の必要があります。
(理事の再任も含む)
提出時期---変更後、主たる事務所の所在地へは2週間以内
従たる事務所の所在地へは3週間以内
提出場所---管轄する法務局
3.事業報告書等の提出
事業報告書・活動計算書等の決算書類・役員名簿・社員名簿
等の提出
提出時期---事業年度終了後3か月以内
提出場所---各所轄庁
4.役員の変更届出書等の提出
理事・監事の任期満了、辞任、新任、住所移転などに伴い、
役員の指名や住所に変更が生じた場合には役員変更届出書等
を提出
提出時期---変更後、遅滞なく
提出場所---各所轄庁
5.定款の変更
定款の内容を変更するときは、総会で定款変更を議決した後
に各所轄庁に定款変更認証申請書、または定款変更届出書等
の提出が必要です。